それホント? SNS情報の「出どころ」を確認する基本
SNSの情報、その「出どころ」に注目していますか
日々スマートフォンを手に取り、SNSを開くことから一日が始まる人も多いかもしれません。友人とのやり取りだけでなく、ニュースやトレンド、役に立つ情報など、さまざまな情報がタイムラインを流れてきます。知りたいことや気になることがあれば、すぐに検索して答えが見つかる時代です。
しかし、SNSやインターネット上には、正確な情報だけでなく、不確かな情報やデマ、意図的に作られた偽の情報(フェイクニュース)も混じっています。これらの情報に惑わされず、適切に判断するためには、どのようにすればよいのでしょうか。
今回は、SNSなどで目にした情報の「出どころ」、つまり「出典」を確認することの重要性と、その基本的なステップについて考えてみましょう。
なぜ「出どころ」の確認が大切なのか
インターネット上の情報は、テレビや新聞といった伝統的なメディアと異なり、誰でも簡単に発信できます。これは多様な意見や情報を得られるメリットである一方、情報の信頼性を自分で見極める必要があります。
不確かな情報を信じたり、それをさらにシェアしたりしてしまうと、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 誤った判断をしてしまう: 健康に関するデマを信じて体調を崩したり、災害時に誤った避難情報で危険な行動をとってしまったりする。
- 他人を傷つけてしまう: デマや誹謗中傷を拡散し、特定の個人や集団に損害を与えてしまう。
- 社会的な混乱を招く: 根拠のない情報が広まり、社会全体で不必要な不安や混乱が生まれる。
これらのリスクを避けるために、情報の「出どころ」を確認することは、情報を受け取る私たちの基本的な責任と言えるでしょう。
情報の「出どころ」を確認するステップ
それでは、具体的にどのように情報の「出どころ」を確認すればよいのでしょうか。いくつか基本的なステップをご紹介します。
ステップ1:誰がその情報を発信しているかを確認する
情報が誰によって発信されたものかを確認しましょう。
- 個人アカウントからの投稿ですか? その人はその分野の専門家でしょうか?
- 公式機関(政府機関、研究機関、企業の公式アカウントなど)からの発表でしょうか?
- ニュースサイトの記事ですか? そのニュースサイトは信頼性の高いメディアとして知られていますか?
匿名の情報源や、発信者がはっきりしない情報は、特に慎重になる必要があります。個人の体験談や意見も参考になりますが、それが事実全体を表しているとは限りません。
ステップ2:元の情報や根拠を探す
SNSの投稿は、情報の一部を切り取っている場合があります。可能であれば、情報が最初にどこから発信されたのか、元の情報源を探してみましょう。
- リンクが貼られている場合は、そのリンク先のページを確認します。SNSの要約や切り取られた部分だけでなく、記事全体や発表の内容を読みましょう。
- 出典が示されていない場合は、情報に含まれるキーワードを使って検索し、同じ情報が他の信頼できる情報源でも報じられているか確認します。
- 「〇〇の調査によると」「専門家の話では」といった記述がある場合は、具体的な調査名や専門家の名前、所属などが明記されているか確認し、可能であればその元の情報(調査報告書や学会発表など)を探してみます。
元の情報が見つからない、あるいは曖昧な場合は、情報の信頼性が低い可能性があります。
ステップ3:いつの情報かを確認する
情報が発信された「日付」も非常に重要です。
- 古い情報が、あたかも最新の情報であるかのように拡散されている場合があります。特に災害情報や医療情報、流行など、状況が変化しやすいテーマの情報は、最新のものであるか必ず確認しましょう。
- 数年前のニュース記事が、現在の状況に当てはまらないにも関わらずシェアされるといったケースもよく見られます。
情報が発信されたタイミングが、現在の状況に合っているか、文脈に注意が必要です。
ステップ4:他の情報源と比べてみる(クロスチェック)
一つの情報源だけで判断せず、複数の信頼できる情報源で同じ情報が報じられているか確認してみましょう。
- 大手メディアのニュースサイト複数で報じられているか。
- 公的機関が同じ情報を発表しているか。
- 専門機関が発行する資料に同様の記述があるか。
複数の信頼できる情報源が同じ事実を伝えている場合、その情報の信頼性は高まります。逆に、特定の情報源でしか見られない情報や、真逆のことが書かれている場合は、立ち止まってさらに詳しく調べる必要があります。
ステップ5:情報に「証拠」や「根拠」が示されているか確認する
主張だけでなく、それを裏付けるデータ、統計、具体的な事例、専門家の意見などが示されているか確認しましょう。
- 「多くの人が言っている」といった曖昧な表現や、個人の感想だけではなく、客観的なデータや事実に基づいているかを見極めます。
- 使用されているデータが、情報の発信者にとって都合の良いように解釈されていないか、元のデータを確認してみることも大切です。
まとめ:情報の「出どころ」を確認する習慣をつけよう
SNSやオンライン上の情報との向き合い方において、「出どころ」を確認する習慣は、私たちを不確かな情報から守るための強力な武器になります。一見魅力的でも、感情を強く揺さぶるような情報でも、すぐに信じたりシェアしたりする前に、少し立ち止まって「これは誰が言っているんだろう?」「元の情報はどこにあるんだろう?」と考えてみることが大切です。
すべての情報を完璧に検証することは難しいかもしれません。しかし、今回ご紹介した基本的なステップを知っているだけでも、情報の信頼性を判断する精度は大きく向上します。楽しみながら情報を活用するためにも、ぜひ情報の「出どころ」を確認する習慣を身につけていきましょう。